宮司だより

宮司だより

  • 【No.409】2011.10.07
スティーブ・ジョブスの訃報は世界中に配信され、同時に2005年のスタンフォード大学の卒業式のスピーチの映像をあちこちで目にすることになった。
以前からこの時のスピーチを聞きたい(読みたい)と考えていたので、早速「YOU TUBE」で見てみることにした。

このスピーチが紹介される時、またジョブスの名言が紹介される時に必ず「人生は時間は限られているので他の誰かの人生を生きて時間を無駄にしてはいけない。ドグマにとらわれず、他の人の考え方に流されず、自分の直感に従って生きて欲しい。」「ステイ・ハングリー」「ステイ・フーリッシュ」という部分が強調される。

でも彼のスピーチの中で私が一番好きなのは「人生に起こる様々な出来事(点)は振り返ってみると皆つながっている」という部分だ。

大学を中退した後も興味がある授業にもぐりこんでいたことが、マッキントッシュを作る上で重要であったこと。
アップル社が大きくなった後、解雇されて作った会社で新しい大きな業績を残せ、それが後にアップル社への復帰に繋がったこと。そしてそれが同時にアップル社を救うことになったこと。
また、その会社で妻と出会ったこと・・・

振り返ってみると苦しいなかでもがき苦しみながらも自分の直感を信じて取り組んできたこと(点)が数年後には全て線となって、ひとつひとつの点が自分の人生にとって非常に重要だったことが分かる。

これは「人生万事塞翁が馬」に通じるところがある。

人生には色々なことが起こる。
楽しいこと。
嬉しいこと。
悲しいこと。
苦しいこと。
でもそれらを受け入れて乗り越えてこそ、人生に花は開くのであり、はじめて点と点が線でつながるのであろう。

もしかしたらジョブスは「時の神」に使われたのかもしれない。
その時代に必要な変化をもたらし、大きなことを成し遂げて、役目を終えるとあっという間に消えてゆく・・・

次の世代に大きな変化と多くの影響を与えてくれたジョブスに心から感謝したい。
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